エンジニアリングとお金の話

都内で働くエンジニアの日記です。

富士通の間接部門5000人エンジニア計画について思ったこと

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富士通が間接部門の5000人をエンジニアにするらしい。また、エンジニアに向かない人は転職支援もするとのこと。要はリストラである。

www.nikkei.com

このニュースが教えてくれるのは安定している職場で働いている人程、その安定が崩れた時にダメージが大きいという事である。Sierで10年間程働いていた身とすると全くゼロの状態からエンジニアになるのはそれ相応の時間を要する。また、吸収力が大きい若い頃と比べると年齢はハンデとなる。多くの人がエンジニアになれずに職場を去って行くのではと思っている。

このニュースを聞いた時にブラックスワンの作者のタレブが反脆弱性で書いていた内容を思い出した。銀行員とタクシー運転手どちらが安定しているかと言う話だ。一般的な感じでは銀行員の方が社会的なステータスや給料の多さ等から安定していると考える人が多い。それに引き換えタクシー運転手は毎日売上が異なり安定した職業とは言い難い感じがする。

ただ、実際は銀行員の方が金融危機等の突発的なイベントの発生により職を奪われた人が多い。リーマンショックの時は優秀な人達があっという間にクビになり会社を去っていった。銀行が潰れる事は無い、銀行は一生安泰だという思い込みがあると、その前提が崩れた時に喰らうダメージは大きい。頑丈な物程壊れた時に大変な問題となる。逆にタクシー運転手の様に毎日が不安定な方が結果的には長期に生き延びる事が出来るという事である。

現在、大学生の就職ランキングで上位に来る企業は公務員や老舗の大企業等安定している会社を選ぶ傾向が高い。ただ、安定で仕事を選ぶのは非常にリスクが高い行為と言う事を今回の富士通の例を踏まえて考えた方がよい。若い内に変化に強い人間になり社会がどんな状況になっても喰って行ける人財になることが一番のリスクヘッジである。

反脆弱性[下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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