エンジニアリングとお金の話

都内で働くエンジニアの日記です。

東京貧困女子を読んで思ったこと

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久し振りに重い本を読んだ気がします。是非女性の方に読んで欲しい一冊です。

東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか

東京貧困女子。: 彼女たちはなぜ躓いたのか

女性の貧困にスポットを当てた本なのですが正直エグいです。風俗で学費を稼ぐしかない医学生や多額の奨学金で人生が狂う人、ブラック企業に心身共にボロボロにされた人など不幸のオンパレードといった感じです。同じ東京にもこんなに苦労している人達がいることを考えると幸せと不幸は紙一重だなと思ってしまいます。

特に自分が憤りを感じたのが介護の学校に行く為に多額の奨学金を借りて、就職してみたものの手取りが少なく貧困にあえぐ話です。奨学金は聞こえはいいのですが実際はただの借金です。お金に関して無知な学生に大した情報を与えずお金を貸し、借金漬けにするこの制度は本当に必要なのかと甚だ疑問を感じます。特に介護業界は低賃金で手取りで14〜15万の世界です。そこから奨学金を返済し自分の生活を行うと苦しいのは容易に想像が付きます。第三者がアドバイスして挙げればこんな不幸は生まれなかったはずです。一人でも多くの若者が苦しむことが無いように今後この奨学金という制度は抜本的な見直しが必要だと思います。

また、この貧困女子の話を読んで思ったのは一度貧困に陥るとそこから抜け出すのは至難の技ということです。例を上げると非正規雇用で働く女性の話ですが、低賃金かつボーナスも出ないので日々の生活で精一杯で体を壊すとゲームオーバーといった感じの生活を送っていました。彼女いわく「生きるのが死ぬほどつらい」とのこと。こういう人達を自己責任の一言で片付けてはダメでもっと救いの手を差し伸べる制度が必要だと思いました。社会福祉は高齢者に偏り過ぎなので、個人的には貧困で苦しむ女性やシングルマザーなどにもっと活用して欲しいです。

自分も子供の頃貧しい生活を送っていたので、貧困の辛さは身に沁みて分かります。この本を読んで思ったのは正しい情報をもっと早い段階で知ることが出来れば多くの貧困を防ぐことが出来たということです。明日は我が身ということを常に意識して情報収集と努力を続けていこうと思います。